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みんなでとりくむ 水稲のジャンボタニシ対策
1. 耕種的防除法
田植前などに…
耕うんして殺す
厳寒期、田植前、または秋の収穫後に、乾いた水田で、浅く、回転を早くしてロータリー耕をし、貝を破壊する。特に厳寒期が効果的。
水取り入れ口に網を張り進入防止!
水の取り入れ口に20から5mm目の網を張り、水路からの侵入を防ぐ。
早植えで逃げ切る
気温が低い早期に植えると被害が少ないといわれている。
田植後に…
浅水管理で食害防止(田植後3週間)
田植後3週間頃までの間、水深4cm以下に保つ
貝が水稲に被害を及ぼす間、浅水管理で貝が稲を引き込めなくなり、実害はほとんどなくなる。
均平が悪いと、深いところでは貝に加害され、土が水から出ているところは除草剤の効きが悪くなるので圃場の均平に留意。
手作業で貝を殺す
手作業で捕殺する。次で紹介する誘引剤を使うと効率的。
なおジャンボタニシには人体に有害な寄生虫がいる場合があるので、素手で扱わないこと!革手袋等を使うとよい。
集めた貝は地中深く埋めるなど、適正に処理する。
誘引剤等による捕殺事例紹介
市販のトラップや誘引剤を使うほか、次のような事例もある。
野菜で集めて捕獲する事例
ほ場内の数カ所にえさ場を設け、野菜を置いておき、集まった貝を捕殺する。スイカ、トマト、ナス、レタスなどを好む。福岡県農試の報告。
酒かすと小麦粉の団子で貝を集めて捕獲する事例
市販のお茶パックを二重に重ね、中に小麦粉と酒かすを混ぜて団子状に丸めたものを入れ、水田約1aに1個の割合で置く。3日後、集まった貝を捕殺する。網の上に誘引剤を置くと捕獲しやすい。沖縄県の事例。
段ボール片で貝を集めて捕獲する事例
30cm四方の段ボール片を水路や畦畔に立てかけておく。翌日、水面下の部分に貝が食いついているので捕殺する。山口県の事例。
卵も殺す
卵をつぶす。産み付けられてしばらくの新しい卵は、水中へかきおとすだけでも腐って死んでしまう。

2. 化学的防除法
現在水稲で、ジャンボタニシに対して登録がある農薬のうち、殺貝効果があるとされるのは石灰窒素とIBP粒剤(キタジンP)。
本田に薬剤を処理した後は、田面水が流亡しないよう十分注意する。
なお石灰窒素は薬害があるので栽培期間中は使用できない。
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)に対する水稲登録農薬
田植前または稲刈り後に施用して、殺貝する
石灰窒素 20から30kg/10a 植代前/1回 ※4
発生地域では育苗箱施用し、食害を防止する
パダン粒剤4(劇B-s) 60から100g/箱 移植当日/6回 ※1
本田での防除、田植後に施用して食害を防止する
キタジンP粒剤(普B) 3から5kg/10a 本田初期/2回 ※2
パダン粒剤4(劇B-s) 4kg/10a 30日前/6回 ※3
ルーバン粒剤(普A) 4kg/10a 14日前/4回 ※3
※1 パダン、ルーバンは摂食阻害剤で、施用後1から2週間の間、食害を防止する。
※2 キタジンPは殺害、摂食阻害の両作用がある。田植後1から5日以内に水面施用(浅水管理)する。DCPA除草剤との同時または10日以内の近接散布は薬害の恐れがあるので避ける。
※3 パダン、ルーバンは蚕毒が強いので、絶対桑葉にかからないようにする。
※4 石灰窒素は水中に溶出したシアナミド成分が即効的に作用し、高い殺害効果を有する。
石灰窒素の使い方(春施用の場合)
- 荒起こし後、3から4日以上湛水状態にする。
漏水田では代かきなどで漏水を防止する。 - 石灰窒素20から30kg/10aを全面に水面施用する
- 3から4日放置後、代かきを行う。
- 代かき後、2から3日おいて田植えする。
施用時の水深は、処理後2日間は水を切らない程度の浅水とし、周辺部に飛散しないよう注意して散布する。
処理後はかけ流し、落水などの水の移動は行わない。
石灰窒素自体が窒素成分を含む(N20)ため、田植前に石灰窒素を使用した圃場では基肥窒素を無施用とする。また野菜跡地には石灰窒素を使用しない。コシヒカリ等倒伏しやすい品種では収穫後施用とする。
本田に薬剤を処理した後は、田面水が流亡しないよう十分注意する。
3. 生物的防除法
合鴨は貝が好物。合鴨を放した水田では、翌年田植時の貝の密度は著しく低くなる。カニやコイ等も天敵。

4. 地域での取り組みを
地域ぐるみで計画的に行う方が、より効果的。集落で話し合おう。
5. その他注意事項
魚毒性の高い資材を栽培期間中に施用するのはやめよう!
もし田面水が用水等に流れ出すと、河川の水生動物が死んだり、また付近で魚等の養殖を行っている場合にも、被害の発生が懸念される。
